船橋で織りなす日本語模様17【二和 三咲】 数字と縁起のよい漢字の組み合わせ
「縁起(えんぎ)がいい」と言えば、何か良いことが起きたときに言ったり、起こるのを期待しているときに口にする表現です。
例えば、初出勤の日が晴天だったら、「おー、初日から縁起がいいなあ。」と言うわけです。
地名にも縁起を担(かつ)いだものがよくあります。
船橋市内には、二和(ふたわ)、三咲(みさき)という地名が残っています。新京成線の二和向台駅、その隣の三咲駅のように駅名にもなっています。駅前には二和交番があります。
この地名は、明治時代になって新たに開拓された地域です。江戸時代は幕府直轄の牧(馬の放牧場)だったのです。
開拓した順番に数字を冠して縁起の良い漢字と組み合わせて地名にしたのです。
最初の開拓地は「初富(はつとみ)」。これは鎌ヶ谷市にあります。
2番目が「二和」で3番目が「三咲」です。富、和、咲はいずれも縁起の良い漢字です。
4番目は「豊四季(とよしき)」(柏市)です。
5番目以降もあわせて書くと次の通りです。
初富(はつとみ、鎌ヶ谷市)
二和(ふたわ、船橋市)
三咲(みさき、船橋市))
豊四季(とよしき、柏市)
五香(ごこう、松戸市)
六実(むつみ、松戸市)
七栄(ななえ、富里市)
八街(やちまた、八街市)
九美上(くみあげ、佐原市)
十倉(とくら、富里市)
十一番目からは、十余一(とよいち、白井市)、十余二(とよふた、柏市)、十余三(とよみ、成田市)です。別に命名への情熱がなくなったわけではないと思います。「十余」は「とよ=豊」に通じています。また、「余」は余裕があり、ゆとりがあって富があるとも考えられるのですから。
京成津田沼駅から松戸駅に向かって、三咲駅、二和向台駅と電車で行くと、次の駅は鎌ヶ谷大仏駅です。
駅近くに鎌ヶ谷大仏が鎮座しています。
そして、その次が初富駅です。
柏市の豊四季には読売センター柏豊四季があり、新聞奨学生としてお世話になっているBTS言語学院の留学生もいます。