船橋で織りなす日本語模様21【やさしい日本語】 「優しい(KIND)気持ち」で「易しい(EASY)伝え方」を
阪神・淡路大震災から本日(2025年1月17日)で30年となりました。
1995年1月17日火曜日の午前5時46分52秒、兵庫県の淡路島北部(北緯34度36分、東経135度02分)、深さ16kmを震源とするマグニチュード7.3の大地震が発生しました。神戸市を中心とした阪神地域および淡路島北部で甚大な被害が出ました。
気象庁はこの地震を「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」と命名しました。また、政府は「阪神・淡路大震災」を災害名としました。
この大地震では、日本人だけでなく、多くの外国人も被災しました。しかし、日本語も英語も分からない外国人は必要な情報を受け取ることができず、適切な行動がとれない人がたくさんいました。
そこで、阪神・淡路大震災をきっかけとして、「やさしい日本語」で表現する動きが広がりました。
たとえば、「高台に避難してください。」は「高いところに逃げてください。」と言い換えます。
高台に避難してください。
↓
高いところに逃げてください。
「やさしい日本語」は「やさしい」と平仮名で表記します。これは、「優しい(KIND)気持ち」で「易しい(EASY)伝え方」を心がけることを意味しています。
「優しい」は動詞「やす(痩す)」が語源です。もともとは身が瘦せ細るような思いのことを言いました。
それが、他の人々に対して引け目を感じることに通じ、その振る舞いが「控えめだ」「つつましやかだ」という意味を持つようになりました。
そして、つつましい姿が、「優美だ」「上品で美しい」「けなげなだ」「好感が持てる」というように良い意味に広がっていきました。
さらに、「けなげだ」「好感が持てる」から、こちらが恥ずかしくなるほど思いやりがあるとみなされ、「親切だ」「心温かい」という感情をもつ言葉に「優しい」はなりました。
「優しい」
痩せ細るような思い
他の人々に対して引け目を感じる
控えめだ つつましやかだ
優美だ 上品で美しい けなげなだ 好感が持てる
こちらが恥ずかしくなるほど思いやりがある
親切だ 心温かい
一方、「易しい」も「優しい」がおおもとにあります。「優しい配慮があって分かりやすく、簡単だ」というところからきています。
船橋市国際交流協会では災害時外国人支援サポーター養成講座を開催しています。この講座でやさしい日本語を学び、災害が起きた時に外国人支援の手伝いができるようにとの趣旨です。筆者も昨年、受講し、大変に有意義でした。

2024年に行われた災害時外国人支援サポーター養成講座の案内チラシ